「居ごこち物語」

はじめ建築学を勉強していました。

建築のなかでも設計といわれるデザイン部門を学び、自分でもデザインができるようになればいいと思っていました。

建築のデザイナーは当時大家のデザイナー(設計家)につき、学んでいく、いわば徒弟的な道が主流でありました。

私は設計家でも知られていた先生の、設計そのものを研究し論文にもするという研究室に入り、住宅が建築の基本だということを教えられていましたので住宅の工業化の研究をしていきました。

戦後、日本の住宅と言えば、いろんな事情で伝統的な和風の建物がつくられなくなり、それができる大工さんのような人々もどんどん減っていく傾向にありました。

そこで、難しい伝統的な技を使わずに創っていく方向になり、住宅を工場で量産できるようにする道が模索されていき、その合理的なつくりかたと問題点、またその解決策、などへと関心がうつっていった時代でした。

一時には多くのハウスメーカーが乱立しその道をさぐる熱気に包まれていました。そのあとを追って、国家的方針で、世に言う、ツーバイフォー米加住宅の積極的な導入がはかられ、その影響をくぐりながらハウスメーカーも 淘汰されていきました。

あるとき建築の最終目標は、その建築をどのように創るかという主に技術的なことではなくて、そこに住む、また使う人の居ごこちではないのか。居心地をつくることではないのか、居心地いい状態を。

快適さも大事、でもその様なハードに感じる感覚的な快さとは異なった快さ

気持ちよさ。があるのではないか。

あるお宅に伺って、そのおもてなしなどとても気持ち良くて、出て帰ってきたときに「あのお宅はなんて居心地良かったんだろう」と思う。そんなとき、「なんと快適だったんだろう」と言う場合には、そこにあったインテリアデザインであるとかカーテンやじゅうたんや家具調度品であったり絵画であったり飾り付けであったりするものに感じたものではないのかと。それらも随分と影響はあるのだろうけれど、そこでの受けたおもてなしなどのご主人とのご一緒がもっと居たくなるものであったら、それは快適と言うには失礼なぐらいの事ではないのか。

1980年代後半に、都市空間や住環境に、また街づくりなどの活動のなかに、

「アメニティ」という考え方が、国家的プロジェクトとして英国から輸入・導入された。

随分とあおられて、あちこちで、補助金もつけられてこの言葉を支えに活動がされたけれど、その時は「環境の快適性」と訳された。その動きはだんだん衰微して、何時の間にか「アメニティ」は本来の、生活しやすさばかりでなく、歴史物や自然物に感じられる文化的な喜びなどの感情をこめた生活のためのものを受け取る基本的権利さえいわれているものが、ここにいたっては「ホテル」の歯ブラシなどをあらわす「アメニティ・グッズ」にまでなってしまっている。

一部ではそれをみなおして本来館練りの復権をはかられているが、そこでは「総合快適性」などともいわれている。

世界はいたるところで人は、ますます、それぞれの居場所を探し、それをもとに争ったりもしています。居場所は、自分に相応しい居心地のいい場所と考えてもいいでしょう。個人も集団も。 それは、なかなかみつからない、また確保するのが難しい時代なのかもしれません。「居場所」が注目される機会もそれほど古いものではありません。今の文学でも主題のひとつです。

「居心地研究所の目標」

  • 居心地研究所は「HaBeTh(ハビス:happiness being there=そこにいる幸せ)」を紡ぎます
  • 居心地=「心ばえ」(=心延え+心映え)
    ①「心ばえ」とは、日本人の精神性を積極的に見つめ、意識をそこにむけ、強化する。
    (風情、趣向、性質、心の景色、など)
    ②心ばえに至る手法〜
    1空間の清明(断捨離も含め)
    2瞑想
    3心を落ち着かせ
    4行動と余白(隙間)
    〜の関係をみる
  • 「居ごこち」=ステータス
    居心地という言葉をもっていれば社会的なステータスをえられるという意味。なぜなら、会社も、個人の住まいも、自分の場所も、これからの時代の社会的活動のキーワードである、「居心地」を持つべきである。
    会社にあっては、企業イメージ、個人にあっては社会的なステータスシンボルになり、成長の糧になる。
    〜「居心地」がCSR、SDGsに関連する
    ・「居心地」がCSRである可能性=他を思う=貢献=住環境の住み心地、
    ・「居心地」がSDGsである可能性=他と一体になる=環境と一体(環境保全)、自然と一体(自然保護)、他人と一体(地域意識、共同意識)、宇宙と一体(地球意識)、自分と他人(他のもの)の境界線がなくなる。=持続性ある心地よさ=欲望制御=
  • 「居心地」=「快適」+α(プラスアルファ)
    快適にプラスアルファされるものとは、感情、感覚、気分、志向、ストーリー、
    ・感情=(感情の円環)驚き→幸福→悲しみ→冷静→嫌悪→怒→恐れ→驚き、のうち幸福につながる感情で、興奮・高揚・満足・リラックスなど
    ・感覚=快適に繋がる五感などの感覚とは別に、体性感覚、時間感覚
    ・気分=情趣に匹敵する、美を生み出す気分、美術・音楽
    ・志向=(思考に通ずる)、目標・計画達成(感)、瞬間に生きる、
    ・ストーリー=例。「ずっと自分のそばに置いておきたい」「最後の砦」「侵されたくない」「従業員ばかりかその家族まで含めた関係する人々と良い人間関係でありたい」
    ・体性感覚(包摂)、
    ・記憶
    ・余韻
  • 居心地を招き寄せる空間を「居心地空間」と呼びます。
  • 「居心地空間」にむけて~
    ・私たちはいつも、「居心地いい」ことを求めていませんか?
    ・企業経営者の方、家庭運営をしている主婦の方、学校運営してをしている方、これから新しい家を作りたいと思っている方、建て替えを行なって新しい環境を持ちたいと考えておられる方方、などなど、みなさん、新しい居心地よさを求めていらっしゃるのではないでしょうか
    建築家、工務店、建築業者、建設関係者に相談しようとされるでしょう
    でも、ちょっと待ってください!
    多くは、空間づくりの技術のお話はあっても、目に見えない「居心地づくり」については話されていますでしょうか。
    私たちは居心地いい場所、や空間を持ちたいと思っているのに
    「居心地」そのものについて、相談に乗ってくれる人は、周りに少ないのではありませんか。
    「居心地よさ」を招き寄せてくれる空間があるのでしょうか?
    「居心地いい」空間ってどんなものでしょう
    一体全体、「居心地」をどんな風に考えたら良いのでしょうか
    こんな疑問がおありではないでしょうか。
  • 「居心地研究所」はこれを真剣に考えてきました。
    ~つぎのように~
     人は空間の心地よさを欲している。
     空間とは居場所、住み場所、働き場所などが代表的
     居心地を求めていることになる
     居心地を意識に向けるようにすると都合がいい
     居心地がどんなものかを考えることになる
     居心地を招き寄せる実際の物理的空間を「居心地空間」と呼ぶ
     居心地空間は古代から考えられてきた、代表的なものが古代インドのbastu、そして古代日本からの日本の精神性
     具体的な空間を通して、総合的な心地よさが実現する、と言う
    これに基づいた居心地空間を持とう。