ハビスとはそこに居る幸せでした。
「そこ」とは、人さまざまの場所であり、空間です。さまざまにあり、自分にもさまざまにあります。
いちがいに、人一般の「そこに居る」の「そこ」は決められません。
しかし、「そこ」に飽きが来てさらに求め続けることになると、その先はとめどなくあるようです。
車をもっている生活の空間から、家屋敷を持とう、それなりのインテリアを持とう、とどんどん絶え間なく次から次へと追い求めていく姿を想像すれば、わかります。
それはひとつの、成長の道筋のような気がします。成長してどんどん上に登っていく感じがありはしないでしょうか。生きている間に欲望が続いて自分が死んでしまえば、それはそれで結構。しかし、生きている間にその先を見るようになると、それはずいぶん高みにいきついて、理想郷をみるようになるかもしれません。ひょっとしたら、そこは極楽浄土といわれたり、向こう側といわれたり、ゼロポイントフィールドといわれたり、するようなところかもしれません。居ごこちいいところを求めてやまない旅の行き着く先かもしれません。そこはもう自分のものではない空間、宇宙の空間の一部であったりするでしょう。