1970年より東海大学教養学部芸術学科において、建築および環境の設計・計画(デザイン)の教鞭をとり続け、研究科大学院教授をつとめる。のちに人間環境学研究科講師となる。
1984年ごろまで、
建築設計理論の研究で、日本建築学会などの学会活動がつづく
1988年、“住まいの思想書“として『大都会の小さな家―住の思想へ』を共著として上梓。
建築の最終目標が「居心地」であることに思い至り、以後「居心地」研究の虜となる。
居心地学を提唱する。
1988~1992年、米加輸入住宅の建設実験を兼ね、自宅敷地に樹木と住宅の一体型計画を実現する
1992年ごろから、建築家としてバブル崩壊時の悲惨をみ、建築ユーザ(クライアント)の代弁者となるコンサルティングを志す
1992年に「居心地の研究」、と「居心地のいい空間」の研究を目的にした居心地研究所を設立
2005年 「二世帯住宅」(千葉県市川市)のコンサルティング
2007年 東海大学大学院「人間環境学研究科」において本邦初となる授業『いごこち研究』を創設。
2010年 初の建築学科での特別講義 (東京都市大学大学院建築学研究科)
2011年10月30日 居ごこち学会を設立、居ごこち学会会長就任
その後「居心地」をテーマにした雑誌連載、講演、討論、
2015年5月居ごこち学会名誉会長に就任
2015年6月「いごこち(居心地)宣言」を発表する。
「いごこち(居心地)」へ
かつて、デザイン学を作ろうとしていた学科で、空間デザインを担当していた大学の教授でした。建築学会の活動も精力的にこなし、言ってみれば社会の階段の1つを登っていました。
ところがある時、大学と学会本部の遠距離往復をほぼ毎日のように繰り返していた時に、ふっと気が付いたのです。こんな階段を登って行って行くつく先にどんな幸せがあるのか、と。
好きで好きでたまらないくらいに建築に没頭しているかといえば全くそうではない、ところに来てしまっている、何か1つの穴に落ちてしまったような気がしていました。
ここからどうにかして抜け出したい、でもどうにもならない。
そんな悶々ととした日々が続いていたのです。
そのモヤモヤを吹き飛ばそうと友人と一冊の本を、正直な気持ちで表そうとしました。そうしてたどり着いたのが、心の奥底で、自分の求めているものは、「建築で、居心地を作ろうとしているのだ」と言うところでした。
そうこうしているうちに、世の中ではバブルが弾け、周囲では悲惨な目にあった家持ちの人がたくさん出てきていたのです。長く住み慣れた、土地や家を銀行家や建築関係者や不動産屋に踊らされて、手放して立て替えてしまってから、後で、ろくな環境にも住めなくなってしまったケースが多かったのです。それをみていて、住人側の立場に立って相談にのる人がいない。と言うことに気が付いたのです。自分はどのような立場に立つ、人様の役にたつ人間になりたい、と思ったのです。
そうして、空間を「その人の真の居心地よさから考えて作るべきだ」と、思うと同時に「一体、居心地よさってどんなものであると言えるのか」と言う問いにぶつかったのです。
そこから居心地をずっと考えることになりました。