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2015
13Dec

歩道のルール

歩道

人が、さほど広くない道をどっち側を歩いていくかは、結構大事なことである。
その道は一方通行で車一台走れ、人がその両側をやっと歩ける道だとしよう。
反対方向からも人が通る。そこで起こることは、反対側から来た人とこちら側から
歩く人が道の両側をそれぞれ歩いて行き交う分にはいいのだが、同じ側を向うからやってきた人が歩いてくると、ちょっとした心遣いが必要になってくる。

歩く道幅は人がやっと一人通れるくらいである。
非常に気持ち良くお互いに行き交おうとするなら、お互いが身をていして、つまり横になりながらすれ違えば事はすむ。あるいは片方はじっととまって、譲る格好で相手が通るのを待つ。その場合もお互いに横になりながらではある。もし車が通ってくることも考えればそのようになる。勿論そんなに頻繁に車が通って来なければ、余裕を持って、つまり車の通る部分まではみだして、お互いに自由に通ろうとする。
そんな余裕のある時でもお互いが、こちらと向うが同じ側をあるいていると、、お互いが譲る気もさらさらなければ、歩き続けると正面でぶつかることになる。
それが分かるから、人は遠くから、相手がどっちかに多少寄っていくのを察知してお互いの歩を進めぶつからないようにしている。

統計を取ってみたことはないが、効き足が右の人であれば、人は割と右の端によって歩く傾向があるようで、そのことに少しでも無意識ながらこだわって歩く、相手も右に寄ろうとする傾向があるとしてら、右端によろうとする人が通されて、相手はそれをよける形に自然となる。ところが相手も端に、つまりその人にとっては左に寄った場合には、お互いが譲らなければ正面衝突をしてにらみ合うことになる。
私も人生で、一、二度自分が我を通して端をえらんでとおり、相手もこちらによってきて、一歩も譲ろうとしなかったことがある。しばしにらみ合ってじっとたったままであった。

先日も駅の改札を出たところで、ややごったがえしていた。その中のあるところで、男女が面と向かっておしくらまんじゅうのような格好をして対峙していた。一人は、やや元気のいい中年の女性と、対するこちら側はオタク系の、足元しかほとんど見ないような暗い小太りの青年。どちらも横へ動こうとはしなかった。
人はこういうことになる事をおそれ、それを避けようと前から推し量りながら、往き来る人をみて歩いている。多くの人はほとんど無意識のうちに人ごみでも、街中のショッピングでの歩道でも、このように歩いているはずだ。

交通量の多い駅構内などで、ラッシュ時などは大混乱する恐れもあるので、さすがに矢印を強調し、あるいはロープをはって人を誘導している。指示表示が良くわからない場合ではときどき面食らうこともある。一体右側通行なのか左側通行なのか。みんなが分かるようなルールをきめておいてくれるといいな、と思うこともある。
官庁街や銀座の歩道のような比較的広い道路でもそう感じる時がある。これはなかなか一筋縄ではいかなくて、人は車道とは反対側にあるお店やビルに用事がある場合には、そちら側をめざして歩くからである。その場合でも根本のところに、「人は右、車は左」のような基本ルールがあると便利なのかもしれない。車と人とのことではなく、人と人のことで、いってみれば「人は右側通行」というルールが守られているとぶつかることもが回避されるかもしれない。
街なかの広い歩道でも、相手と向き合いよける方向も同じとき、なかなか前に進めず、しばし困惑してしまっている様子を見るのもまれではない。

移動中のささやかな、気持ち良さの問題である。

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